2018年度を振り返ってみた

3月はまだあと2日ある!絶賛ロスタイム進行中ですが、年度振り返り。

仕事のこと

春~夏は去年に引き続き、情報の探し方を教える人になってた。20コマ近く喋った。
去年の蓄積があるから楽になるかなと思ったけど、やっぱり今年も学生さんのテーマを聞いたらそれにあわせたことを喋りたくなってしまって、資料を探したり調べたりで慌ただしく。同時期に別のイベントの仕事も重なり…おしごとは計画的に。
もちろん糧になったけど、もうちょっと標準化の意識も持って仕事したほうがよかったね...。

あと、初めてゼミにも参加させてもらった。学生さんたち面食らった顔してたけど。普段どんなことをやっているのかがわかって、貴重な経験だった。自分がいた学部とは進め方が全然違った。
今年はこんなふうに名指しで仕事をもらうことがいくつかあって、ありがたかった。必要とされるって嬉しい。でも組織には望まれない仕事の仕方なのかもしれないとも思う。


夏はシェアードプリントのことをやってた。Rが少し使えるようになった。
去年はどうしたらいいかもやもやしていたけど、実際のデータでシミュレーションしてみて問題点がはっきりした。
といってもほとんど自分の力ではなくて、先生が協力してくださって、Rの使い方からなにから、教えてくれつつ一緒に進めてくださったおかげであります。面倒見の良さにがっつり甘えてしまってたわけですが、一緒に考える時間はとてもわくわくして好きだった。脱線してゆるゆるいろんな話をしたのもよき思い出...。
他にもディスカッションしてくださった先生がいたり、お師匠さまにもアドバイスいただいたり。今年も周りの人に助けられてばかりだったな。いつもありがとうございます。


秋は統合した部署のほうの仕事とか、データ分析の講義の受講とかしていた。
統合部署のほう、自分の所掌業務ではないのをいいことに「まぁとりあえずやってみたら?」とか言ったら、後輩さんたちが一生懸命考えてくれて、業務集約できました。本当にすばらしい。無茶ぶりしてごめん。でも結果的に無茶ぶりじゃなかったね。
図書館評価とか費用便益分析の観点からシェアードプリントをとらえたら、とかも考えていた時期で、色々調べてた。このときも図書室に来た先生をつかまえてはあれこれ質問していた。けど結局まだあまり消化できてないな。実験とかやれたら面白そうなんだけど。


冬は業務の総まとめにかかってた。来年度の仕込みをしたり、統合部署のほうの仕事をまとめたり(Webサイトリリースした)。
あと東のほうのお仕事をさせてもらえることになって、1回会議に出た。たぶんめっちゃ浮いてたけど、せっかく送り込んでもらったんだからがんばる。それにくっついた学内の仕事もやってきて、これは面白くなりそうな予感がしている。
業務まとめは夏までの段取りでのんびりかまえてたら、まさかの春に異動。


ということで、通算5年お世話になった部署から異動になります。楽しかったなぁ。分野の資料を知る仕事もできたし、直接サービスの仕事もできたし、レファレンスも。でもまだまだやりたかったことはたくさんあるし、単純に離れるのがとても寂しい。
先生や院生さんたちに異動の挨拶をしてまわったとき、みなさん「異動先にも行くね」とか「これからもメールするね」と言ってくださって。社交辞令も含まれるだろうけど、確かに「ここの図書室のひと」になれてたのかなぁ、という気がして嬉しかった。異動するとどうしても疎遠になってしまうのだけど、これからもお付き合いいただけるって、信じてますよみなさん!
お世話になったぶんを恩返しできるように、新しい場所でレベルアップするぞー!いってきます!

育児のこと、家のこと

すっかり男の子になった。仮面ライダー戦隊ものウルトラマンときて、いまはポケモンブーム。「ピカチュウ!きみにきめた!これがおれたちのちからだ!」とか言いながら、なにやら必殺技を繰り出し、毎日なにかと戦っている。ご苦労様です。
ひらがな・カタカナはあっという間に覚えててびっくりした。教えてないのに...。でもおえかきや工作はあんまり好きじゃないみたい。ちゃちゃっと適当にやってすぐ飽きる。もうちょっと描いてくださいな。
あと、とにかく落ち着きがない。。先生からは言われてたけど、保育参観でよーーくわかった...。何度「しずかにね」って言われていたことか。すみません...。運動会や参観みたいな場面で、ギャラリーに全く動じず堂々とやってのけるところは素晴らしいと思うのだけども。もう少し落ち着きが出るといいね...。


相変わらず自分のキャパが大きくなくて、余裕がなくなって子のわがままに途方にくれる日もあったけど、ちょっと深呼吸をして、「うれしかった」「悲しかった」「ありがとう」「ごめんね」みたいに気持ちを言葉にするようにしたら、うまく回ることが増えてきた。人間関係の基本のようなものを改めて感じさせられた1年でした。

趣味のこと

サブスクサービスに登録して聴ける音楽が増えた!すばらしい!


赤い公園アルバム「熱唱サマー」全曲試聴映像
春~夏に赤い公園ブームがきた。このアルバムを一番聴いてた。1:57~プラチナがすごい好きです。



サイダーガール“パレット”Music Video
サイダーガール。今年知ってすごく気に入った。夏はこの曲ばっかり聴いてた。"あなたの目に映るこの姿が 消えることがこんなにも苦しいとは"っていうフレーズが好き。2019.3.10にはライブにも行った。楽しかった!バックに流れる映像と生演奏、っていうのがすごく新鮮だった。またいきたい。



Official髭男dism - ノーダウト[Official Video]
あちこちでStand By Youがかかってるから気になって聴いてみたら、はまってしまった。



FIVE NEW OLD - Stay (Want You Mine) 【Silent Live at SKY CIRCUS Sunshine60 Observatory】
いまどはまりしているのはこちらです。FIVE NEW OLD。めっちゃおしゃれでかっこいい。"How'd I fall in love again without you girl?"ってすごく素敵じゃないですか。 あとライブでこのクオリティすごくないですか。2019.3.17インストアライブで初めて見に行ったんですが、目が離せなかったです。
Ghost In My Placeもすごくいいです。アルバムバージョンはよりブラックでかっこいいです。



Base Ball Bear - ポラリス (2019.3.2 Ver.)
この曲聴いたときなぜか泣きたくなった。ギター、ドラム、ベース、最強だし大好きだけど、もう4人ではないんだなぁ。
2018.5.18と2018.11.11の2回ライブ行きました。11月のはpillowsとの対バンで、pillowsもめちゃよかった。Funny Bunny染みた。



ヨルシカ - ただ君に晴れ (MUSIC VIDEO)
ボーカルさんの声、透明感があってすごい好き。


あとは、Mrs. GREEN APPLEとかUNISON SQUARE GARDENとかも気にいってよく聴いてた。

今年はライブ4回行けた。このあともすでにチケットいくつか取ってあるので、それを楽しみにいきていこうと思います。



本当に充実した1年だった。とても楽しかった。
いいように転がっていく瞬間っていうのは、「とりあえずやってみよ」とか「おもしろそう!」とか、ポジティブな言葉を口にしたときだったような気がしていて、そう思ってからは、なるべくそういうことを口に出すようにしていた。特に仕事の場だとみんなあまりそういうこと言わないから、より意識して。
「一緒に仕事すると楽しい」「一緒にいると楽しい」と思ってもらえるような、周りに前向きな影響をあたえられるひとになりたい、と最近はよく思ってて、それが当面の目標かな。まだまだ、お荷物になる場面のほうが多いですが。

この1年も本当にたくさんの人にお世話になりました。ありがとうございました。
さよならじゃなくて。これからも、どうぞよろしくお願いします。

シェアードプリントを成功させるために考えておくべきこと:各論(2)対象資料の選定

各論つづき。
今回は「どんな資料をシェアードプリントの対象にするか」がテーマです。

spica.hatenablog.jp

特定の出版社の雑誌

  • BTAA SPR(集中型)
    • フェーズ1:Elsevier、Wiley、Springerの雑誌。2015年からはOxford University Press、Cambridge University Pressの雑誌も追加。
    • フェーズ2:紙と電子の所蔵数によるコレクション分析で決める(検討中)。
  • PALCI PDPA(分散型)
    • American Institute of Physics、Institute of Physics、American Physical Society、American Chemical Societyの雑誌


特定の分野・形式の資料

  • ASERL FLDP(分散型)
    • 政府文書
  • MedPrint(分散型)
    • 医学分野の雑誌
  • CHLA(分散型)
    • 19世紀初期~20世紀中・後期に出版された農学分野の図書・雑誌


各図書館が独自に選んだ資料

「破損・劣化がない」とか「利用頻度が低い」とか「電子媒体がある」とか、いくつかの基準はあるものの、各図書館が「自分のところは○○を保存することにします」と自由に決められるようにしているシェアードプリントプログラム。

  • 集中型は基本的にこのタイプ
  • ASERL(分散型)
    • 参加館が独自に選んだ、利用頻度の低い冊子体の雑誌


参加館のコレクションの分析によって選んだ資料

コレクション分析はSustainable Collection Services(OCLCが買収)に委託して行われることが多い。
ここが開発したGreen Glassっていうアプリケーション?webサービス?がすごい。参加機関の所蔵データ・貸出データなどを取り込んで、WorldCatの所蔵数とかをくっつけて、条件をセット(国内所蔵が○以下とか、貸出○回以下とか、全参加機関のうち所蔵が○以上とか)。すると、その条件にあてはまる資料を、参加機関内で均等に分散(保存責任を割り当て)させて、各機関ごとの保存冊数や保存リストを返すらしい。セットした条件によっては、保存責任の割り当てが均等にならないことがあるので、そのときは条件を変えてやり直して、だいたい保存責任が均等になるような条件を見つけることもできるらしい。
こうして全参加機関が納得できるような条件(保存責任割り当て)を探って、それをシェアードプリント対象とするやりかた。
いつかGreen Glass日本版をつくってみたいなぁ。



なお、コレクション分析の手法はこちらにも書きました。
spica.hatenablog.jp

シェアードプリントを成功させるために考えておくべきこと:各論(1)参加資格

前回記事で、「シェアードプリントを成功させるために考えておくべきこと」をざっくり書きましたが、ここからは各要素についてもう少し触れてみます。
各要素を列挙してみたはいいものの、その個々の要素について聞かれたときに紹介すべきトピックは何だろうなぁ、と思ったので。自分的まとめでざっくりですがご容赦を。

今回は1.参加資格について。

  • 既存のコンソーシアムの活動の一部としてシェアードプリントを始める【既存】
  • シェアードプリントを行うために新たにコンソーシアムを組む【新規】

とに分かれるということで、事例を分類してみると次のような感じでした。

既存 新規
集中型 CIC SPR
CARLI
Five College
FLARE
MLAC
TUG
WRLC
EMPIRE
PASCAL
ReCAP
分散型 Colorado Alliance
ASERL
CNY
COPPUL-SPAN
MI-SPI
PALCI
SCELC
TRLN
VIVA
ALI-PALNI
CI-CCI
EAST
Maine SC
Iowa-Wisconsin
WEST


シェアードプリントプログラムについてアンケート調査を実施したARLのレポートによると、参加機関の構成は次のような調査結果になっているようです。

館種別の参加機関数(N=22)

図書館の種類 回答数 総参加機関数
学術図書館、ARL加盟館 17 198
学術図書館、ARL非加盟館 18 509
学術図書館、コミュニティカレッジあるいは2年制カレッジ 2 46
公共図書館、ARL加盟館 0 0
公共図書館、ARL非加盟館 1 3
非学位付与機関、ARL加盟館 0 0
非学位付与機関、ARL非加盟館 2 6
その他 6 253

出典:SPEC Kit 345、シェアードプリント管理者調査Q1

参加機関の地理的な距離(N=23)

一つの州の参加機関で構成されている 10 44%
複数の隣り合わない州の参加機関で構成されている 7 30%
複数の隣り合う州の参加機関で構成されている 6 26%

出典:SPEC Kit 345、シェアードプリント管理者調査Q4


また、コンソーシアムってそもそも何をしているのか?について。
その活動はおそらく多岐にわたるし、全部をフォローできていないのですが、シェアードプリントに関わるコレクション構築面での協力に関しては、次のような活動が行われることが多いようです*1

  • リソースシェアリング(ILL)
  • 書誌的アクセス(ユニオンカタログの作成・運用)
  • 調整・協働でのコレクション構築・管理
    • 収集:方針を調整して、あまりかぶらないようにする。あと、共同調達して割引とか。最近は電子書籍PDAなんかも。
    • 保存:共同デジタル化、シェアードプリント。

*1:参考:Johnson, Peggy. ”9. Collaborative Collection Development and Management". Fundamentals of Collection Development and Management, Fourth Edition. American Library Association, 2018.

シェアードプリントを成功させるために考えておくべきこと

をずっと考えているわけですが。
そのための種がいくつか集まってきて、ようやくちょっとずつ線につながりだしたところです。

初心に戻って、総論的な論文の内容をまとめておく。

【シェアードプリントコレクションのための持続可能なガバナンスとビジネスモデル】
Payne, Lizanne. "Sustainable Governance and Business Models for Shared Print Collections". Shared Collections: Collaborative Stewardship. ALA Editions, 2016, p. 15-26.
Shared Collections: Collaborative Stewardship (An ALCTS Monograph) | ALA Store

メインテーマ

シェアードプリントコレクションを長期にわたって持続可能なものにするために必要な、ガバナンスとビジネスモデルの要素とは何か。

1. 参加資格を定める

  • 既存のコンソーシアムをつかう
    • すでにお互いに協力・信頼関係ができているので、シェアードプリント協定が結びやすい
    • シェアードプリント以外の事業もやってることがあるので、つぶれにくい
    • 例:
  • 新たなコンソーシアムを作る
    • 地理的に近い図書館や、共通のプログラムを持つ図書館とのコレクション共有
    • 参加機関の範囲を広げることを目的に、補助金が得られることも
    • 例:

2.方針やサービスを定める

対象資料の選定

  • 何をシェアードコレクションの対象とするか
    • 雑誌、図書、雑誌・図書両方、その他の資料(政府文書など)?
    • 所蔵が少ない資料を保護することに重点を置くべきか、それともスペースを再活用するために所蔵が多い資料に重点を置くべきか、その両方か?
  • コレクションの性質をどのように調べるか
    • 印刷体に対応する電子媒体の利用可能性(特に雑誌の場合)
    • 図書館が保存対象に指定するタイトル
    • 図書の貸出履歴
    • シェアードプリント参加館やその他のグループ(HathiTrustやOCLCなど)との間の所蔵重複

保存コミットメント

  • 保存責任が割り当てられた資料をどのくらいの期間保存するのか?
    • 長くするといいこと:資料の利用可能性が長く保証される
    • 長くすると悪いこと:資料を持っている大学が参加を敬遠し、プログラム自体の持続可能性が低下するかも
    • 短くすると:資料を保存する機関の負担が軽減される

保存場所

  • 集中型か分散型か?
    • 図書は分散型、雑誌は集中型が多い

所有権

  • 元の図書館が引き続き所有権を持つか、新しい所有者やグループ全体に所有権を移転するか?
    • 特に州立機関の場合、法的・財政的要件のために元の所有者が所有権を維持していることが多い

現物の検証

  • 所蔵や状態を確認するための現物検証を求めるか?
    • 検証するといいこと:「確かに保存されている」という他館からの信頼につながる
    • 検証すると悪いこと:かかる労力とコストが参加の妨げになる

所蔵の公開

  • シェアードコレクションの情報(例:保存責任など)をどのように公開するか?
    • ローカル目録、コンソーシアムの目録、WorldCatやPAPRなどの総合目録、その他のもの?
  • 公開する場合、どのように実装するか

資料の提供

  • シェアードコレクションを使いたい場合、リクエストはどのように行うか?
  • どのように配送(現物、電子、その両方)されるか?
  • 参加館に優遇措置(例:無償ILL、長い貸出期間、優先処理など)をとるか?

3.ビジネスモデルを定める

どのようなコストが発生するか

  • コレクション分析に関するコスト*1
    • ベンダーに支払う費用
    • 図書館スタッフの人件費(分析用データの準備、ベンダー作成のレポートの評価など)
  • 保存に関するコスト
    • 保存責任が割り当てられた資料を保存するためのスペース
    • そのスペースの維持費
    • そのスペースに対する機会費用(他の用途に転用できない)
    • 環境整備費(資料の保存に適した温湿度環境、セキュリティ環境を整える)
    • 移送費(集中型の場合/他館に欠号を送る場合)
  • 現物の検証に関するコスト
    • 人件費(現物を検索、検証、再配架、結果をメタデータに記録)
  • 所蔵の公開に関するコスト
    • 人件費(目録の更新)
  • 資料の提供に関するコスト
    • 人件費 ※優遇条件を課すなど、シェアードプリントによって新しいワークフローができる場合
  • 除籍に関するコスト
    • 人件費(シェアードプリント対象資料との重複を特定、除籍)
  • プログラムの管理に関するコスト
    • 管理者の人件費(進捗状況の監督、シェアードコレクションの利用状況の評価、プログラムに関する内外とのコミュニケーション、必要に応じた方針の改訂の管理など)
    • 事務局の人件費(ベンダーへの支払い、助成金の会計処理や報告書作成、会費の請求など)

どのコストを分担するか

  • かかるコストを、シェアードプリント参加館間で分担するコスト(=会費をとる)と、参加館が負うコストとに分ける
  • ASERL
    • 参加館間で分担するコスト:なし(プログラム全体の管理にかかるコストはコンソーシアムが吸収)
    • 参加館が負うコスト:対象資料の保存にかかるコスト
  • WEST
    • 参加館間で分担するコスト:プログラムのスタッフ人件費、運営費、コレクション分析、アーカイブ構築(欠号のないバックファイル、検証、所蔵公開)をサポートするための所蔵館への支払い
    • 参加館が負うコスト:参加館間で分担するコスト以外のすべて(資料の提供、除籍など)
  • CIC-SPR
    • 参加館間で分担するコスト:プログラムのスタッフ人件費、運営費、保存施設への資料の移送費
    • 参加館が負うコスト:資料の特定と提供、目録への情報の記録、保存施設を運営している大学へのメタデータ提供
    • 保存場所として指定されている施設が負うコスト:保存コスト
  • 問題:保存責任が割り当てられた資料を保存する図書館が負うスペースコストに対して、補償を行うべきかどうか
    • 賛成派:長期間の保存責任を負うことが奨励される
    • 反対派:保存責任が小さい図書館を含むすべての会員の会費を増加させる
    • WESTは当初、シェアードプリント対象資料を保存している図書館に対し補償(=会費の割引)を行っていたが、2014年に廃止した。

どのように分担するか

  • 会費決定のための費用分担モデルまたは式を作成する
  • 分担の目標:
    • 参加を促すものであること
    • 長期にわたってプログラムが持続可能となるような収益が得られること
    • 参加館が平等に貢献すること
  • 会費の要素:
    • 年会費:人件費やスペースに対する補償費などの継続的な固定費に充てる
    • 変動費:資料の借り受けなどの偶発的かつ予測不可能な業務の費用に充てる
    • プロジェクト費:コレクション分析などのプロジェクトに充てる
  • 分担のやり方:
    • 均等割:総固定費用/参加館数
    • 階層化:同様の規模(蔵書冊数や運営予算)の図書館が同様の料金になるように設定
  • ただ乗り問題への対処
    • 会員だけにサービスが提供されるようなワークフローにする
    • すごく低いレベルの会費を設定して入ってもらう

4.意思決定機構・事務局を定める

意思決定機構

  • プログラムの監督、重要な方針の意思決定を行う
  • 既存のコンソーシアムの意思決定機構に担ってもらってもいいし、新しく作ってもいい
  • 参加館が多い場合は代表館を決める

事務局

  • プログラム全体に関わる費用の会計処理などを行う
  • 費用がかからないなら必要ないこともある

5.協定、覚書を作成する

意思決定

  • 意思決定を行うのは誰か
  • いつどのような変更・見直しを検討するか

脱退

  • 最低限の告知期間
  • 財政的影響を最小限に抑える策(しばらくの間会費は引き続き支払うなど)

シェアードプリント対象資料を所蔵している機関の脱退

  • 対象資料を他の参加館に移管する(または少なくとも提供する)

新規会員の加入

  • いつ、どのように参加できるか
  • 加入時に課す義務は(コレクション分析など)

紛失または破損した資料の交換

  • その資料の所有館(または借りた館)が代わりの資料を用意する

協定の定期的なレビュー

  • 学術コミュニケーション環境や技術環境は変化するので、それに対応するよう保存協定を見直す時期を決めておく

まとめ

シェアードプリントコレクションを長期にわたって持続可能なものにするために、計画時に考えておきたいこと

  • この方針は、参加を妨げる、あるいは将来的な脱退につながる(=持続可能性が低くなる)ような、参加館への多大な追加コストを生むことにならないだろうか?コストを正当化するために十分な利益を全体にもたらす(=持続可能性が高くなる)だろうか?
  • ビジネスモデルは、図書館に対し今後も長期間にわたり料金を支払うことを義務付けている(=持続可能性が低くなる)か、それとも積極的な業務が発生している場合のみ(=持続可能性が高くなる)だろうか?
  • 会費の分担の求め方は、透明性があり、ほとんどの会員に平等に感じられるもの(=持続可能性が高くなる)だろうか?

*1:対象資料の選定にあたってコレクション分析が必要な場合がある。スプレッドシートで済む場合も、ベンダーと契約して高度な分析をしてもらう場合もある

2017年度を振り返ってみた

もう4月も終わろうとしていますが2017年度振り返り。

仕事のこと

劇的というほどではないけどそこそこ変化の年。上司も変わったし組織も変わった。
組織再編はいろんな人の思惑が見え隠れしてちょっと疲れ気味だったかも。

所属では上司や先輩と協力して、新しい仕事を本格稼働させた。
その手ごたえはすぐに感じられた。
入館者数やレファが増えて、学生さんや先生が話しかけてくれることが増えて、図書室の存在が根付いてきたと思える。(これまでは一体、というのはさておき)
成功体験をさせてもらってありがたい限り。
とはいえまだまだ知らないことも多いので、もっとこの領域の専門を学んで、レベルアップにつとめたい。

シェアードプリントもまだ考えてる。業界では最近あんまり聞かなくなっちゃったけど。
アウトプットとしては、年度末に翻訳原稿を一本。
ただ、もう一歩深く知りたい気持ちがおさまらなくて、でもどうしていいかわからなくて、もやもやを続けた一年だった。
いまの所属の影響を大いに受けて「最適化」とか「効率」とかの観点から「日本的シェアードプリントのかたち」を知りたいのだけど、うまくリサーチクエスチョンが浮かばない。
手詰まりになったときにとある方に話をしてみたらすごく丁寧にアドバイスをくださったので、その御恩に報いるべくなんとか形にしたい...
引き続きこのテーマは追っていきます、と宣言しとく。

育児のこと

自分でできることが増えてだいぶ楽になった。
何よりトイレ。もうおむつに名前書かなくていい...幸せ...

去年の振り返りを見てみると「罪悪感と母親失格感」て書いてるけど、それがほぼふっきれた一年だった気がする。
「お母さんが幸せじゃないとみんな幸せじゃない」と思うようになったから。
自分がきついと家の中がうまく回らないのです。人間が小さいので。
ということで無理しないスタンスをとれるようになった(開き直り?)。
夫にも同じように育児に参加してもらう(ただし相変わらず残業してくるし飲み会多いしで喧嘩もしょっちゅう)。
実家にも頼る(土日ときどきあずかってくれる)。
母が言ってくれた「子育てはみんなでするものだからね」って言葉に大いに支えられてます。

3歳になって、これからはしつけの面で大変になってくるかなって気がしている。
どうもテンションがあがると調子に乗って怒られるようなことするみたい。
保育園の先生(ちゃんと叱ってくれてありがたい)ともコミュニケーションを取りながら、
頑張らないといかんですね。繰り返し繰り返し伝える。

趣味のこと

ライブは2017.6.17Base Ball Bear@金沢の1本。
大人になるって素敵なことなんだなぁと思った。
こいちゃんのギター一本で「恋愛白書」弾き語りの破壊力がすごかった。
でもやっぱりギター湯浅将平がいないことは辛いです。
でもやっぱり好きなのでまたライブ行きます。

よく聴いてたのはこのへん。

米津玄師 MV「フローライト」
2016冬~2017春先くらいにめっちゃ聴いてた。


Base Ball Bear - すべては君のせいで
イントロからきらきらしていて好き。


アイドルネッサンス「交感ノート」(MV)
Base Ball Bearこいちゃんプロデュースってことで興味を持ったのだけど、良すぎて。アイドルネッサンス「前髪」(MV) - YouTubeもいいです。
解散残念すぎます。


米津玄師 4th Album「BOOTLEG」クロスフェード
アルバム買った。fogboundが好きすぎてリピート。


きのこ帝国 - クロノスタシス(MV)
2018春先に繰り返し聴いてた。夜の散歩したい。


気づけば採用10年目に突入です。周りから求められるものがレベルアップしていることには気づいているんだけど、まだまだ全然できてない。
新しい年度はそのギャップを埋められるように力を付けたい。
一方で自分より若手のひとたちの育成にも目を向けないといけない感じ。自分がまだまだ未熟と思っていても、環境がそうなってきてしまうわけで。
あと、改めて思うのは、笑顔で過ごすこと。まわりの人を幸せにできるような人間になりたいです。
来年度もがんばります。

シェアードプリントのためのコレクション分析手法

短期集中で読んだので勢いでまとめ。

シェアードプリントを始めるにあたって重要な、でも結構大変なプロセスとして「参加館全体のコレクション分析」というのがある。シェアードプリントは資料の保存責任を分担するもので、「この資料は○○大学」「あの資料は××大学」のように保存責任図書館を決めていくのだけど、参加館の中で「何が」「どのくらい」「重複している/していない」がわからないといけなくて、これを明らかにするためのコレクション分析。
最近の個人の関心事として「日本全体で何冊保存することにしたら、後世まで安全に残せるのだろうか」があって、「資料が失われるリスクと保存にかけられるコストの最適点はどこか」みたいなアプローチも考えつつ、コレクションの重複状況からも色々見えるのではないかと思い。
北米ではSustainable Collection Services(SCS)がこのコレクション分析コンサルタントみたいなことをやっていて、結構使っているシェアードプリントプログラムも多いので、この手法をちょっと見てみようと思った。


参考にしたのは、Maine Shared Collection Strategy(MSCS)*1に対しSCSが提示したコレクション分析提案書

  • クライアント=MSCS、ベンダー=SCS
  • 【】内はその作業の作業者

1.企画ミーティング

  • 【MSCS、SCS】プロジェクトのロードマップとスケジュールを作成
    • 主な参加者:プロジェクトリーダー、システムライブラリアン、コレクション部門の代表者、データをよく知っている人(たいていは目録作成者)など
  • 目的:コレクション分析のために抽出するデータの範囲を決め、タイトルリストを確定。
    • 参加館で異なるデータの持ち方(適用している分類表や貸出規則の違いなども含め)をしている点について要議論。
    • 所蔵データについて比較する集団や特別な保存ルール(州内の著作物は必ず保存するとか)についても決めておく。

2.データの準備

  1. 【MSCS】書誌(bib)データ、資料(item)データ、貸出データを作成、SCSへ提供
  2. 【SCS】受け取ったデータの変換や正規化を行ってデータベース化
    • 正規化の過程で修正したりリッチにしたりした各館の所蔵データについては、あとでリストがもらえるらしい(おまけ的)
  3. 【SCS】集めたデータについてWorldCatから全国的な所蔵冊数を取得。Hathi Trustとの照合もやる
  • SCSがこの作業にかかる期間は、データの量によるけど、240万レコードで3週間くらい

3.グループコレクションサマリー

  • 【SCS】貸出回数○回以上の資料、WorldCatで所蔵が○未満の資料、のように様々な条件でリストを作成

f:id:ask_w:20180111113357j:plain
出典:Maine Shared Collection Strategy (MSCS)Proposal: Collection Analysis Support

4.シナリオ作成

  1. 【MSCS】グループコレクションサマリーをもとに、保存・除却のシナリオ(条件)を作成
  2. 【SCS】そのシナリオを適用した場合、各館が何冊保存・除却することになるか計算
  3. 【MSCS・SCS】これを繰り返す

f:id:ask_w:20180111114608j:plain
出典:Maine Shared Collection Strategy (MSCS)Proposal: Collection Analysis Support

5.候補リスト

  • 【SCS】作成されたシナリオを適用し、グループ全体での保存候補資料リストを作成
  • 【SCS】所蔵館が少ないので「保護」すべきと思われる資料のリストは各館ごとに作成

6.保存責任の割り当て

  • 【MSCS】候補リストをもとに、どの館がどのタイトルを保存するか割り当て*2

7.保存リスト・除却リストの作成

  • 【SCS】保存リストを各館ごとに作成
    • そのグループを代表して保存・保護することを約束するとよいタイトルが掲載されているリスト
  • 【SCS】除却リストを各館ごとに作成
    • 除却できると思われるタイトルが掲載されているリスト

8.データ管理の継続

  • このプロセスで作成したデータセットは2年間有効(ただしデータの更新はしない)。新しいプロジェクトが生まれたときにそのまま活用できる(というSCSの売り)


以上です。
グループコレクションサマリーのようなものは、NC所蔵データを使って試してみられるかも?と思ったけど、学内複本がぼろぼろ落ちそうだな。
あと電子化資料と冊子体資料の突き合わせ。これ課題。

*1:メイン州の図書館によるシェアードプリント。学術図書館だけでなく公共図書館も参加してたり、図書のシェアに主眼が置かれているのが特徴。

*2:割り当て方法についてはこの提案書には記載がないけど、MSCSのWebサイトで公開されてる

2016年度を振り返ってみた

年末に書けなかったので年度の振り返りということにしてみた。

仕事のこと

育児休暇を終え、4月末に職場に復帰。

サービス系の仕事を中心に、なんかいろいろやる人になった。はっきりした担当業務はあんまりなかった。あ、ILL依頼はやってた。
メンテナンスされてないことが多い所だったので、どれもこれも手をつけると大変なタスクだったけど、ぼちぼち片付けた。

自分の部署以外の仕事も入り始めて、ほいほい引き受けてたらちょっと怒られた。優先順位の付け方とか組織的な筋の通し方がなってなかった。このへんは前の部署にいたときから進歩しないな…

冬頃、図書館職員としての在り方を考え直せと言われる事案が勃発して、いちばん大事に思ってたサービスの部分を「あったらいいけどなくても困らない」と言われて、どうしたらいいのかよくわからなくなった。でも、そう言われたってそこは絶対捨てたくないので、そこに磨きをかける決意をした。もっと先生や学生の中に入りこんでいこうと思う。

育児のこと

フルタイムで復帰したので、保育園へのお迎えは18時頃。その時間まで残ってる1歳クラスの子はうちともうひとりだけ。常に罪悪感と母親失格感を抱いていた。
けど当の本人は保育園大好きで、毎日元気に出掛けていく。先生や友達の名前を言って、「○○くんみーんなだいすき」と言っている。熱だしてお休みもあったけど、1歳にしてはたぶんすごく少ないと思う。たぶん本人がとっても頑張ってくれたし、先生たちもとってもよく見てくれていたからだと思う。ベタだけど、「○○くんが元気に保育園行ってくれるから、お母さんもお仕事頑張れるよ、ありがとう」と伝えるようにしてる。あと、公共図書館に行ったときには「お母さんも図書館でお仕事してるよ。ぴっぴっどうぞってやるよ」と仕事の話をするようにしてる。

入園時にはまだ歩き方もおぼつかなかったけど、いまでは走り回り、ジャンプもする。言葉もかなり増えて、普通に文章で会話が成立する。もともと車は好きだったけど、特に重機とか消防車とかのはたらくくるまが好きというふうに好みが出てきた。
怖がりなところがあって、保育園行事ではたいてい泣いてる。

最近の口癖は「うさぎぐみのおにいちゃんだもーん」。この一年の成長っぷりには親も驚き。これからもお互い頑張りましょうね。

趣味のこと

Base Ball Bearのライブに2回行った。ギターの湯浅さんが脱退してしまって、やっぱり今でも胸が痛いし、戻ってきてほしいと心から思っているけど、どっちのライブも鮮やかで格好良かった。これからも見ていたいと思った。

あと最近は米津玄師にもはまっていて、通勤中によく聴いてる。ギターがしっかり鳴ってる曲が多くてなんか意外だった。良い。

サッカーは今年もほとんど見られなかった。代表戦すらほぼ見てないな…テレビをゆっくり見るなんてこといつからしてないだろう……


一年振り返ってみて、なんかほんと毎日ばたばたしてた記憶しかない(保育園に行ってからこども寝かしつけるまで息つく暇ない感じ)けど、こどもは成長しているし、わたしもなんとか年度を終えた。
来年度はいろんなもののバランス感覚を身に付けつつ、フットワーク軽く動いていきたい。あと、人にたくさん会いたい。

次の一年も面白いことにたくさん出会えますように。