NIIオープンハウス2012・参加記録 その3

参加させていただいたので記録。その3。最後です。
配布資料なしだったので、自分のとったメモのみで作成です。ご了承ください。

2012年6月8日(金)
国立情報学研究所オープンハウス2012
http://www.nii.ac.jp/event/openhouse/

電子ブック 学術電子教科書・教材の新しい流通


はじめに / 山地一禎先生(NII)
  • JISC 2007-2010のプロジェクト
    • 図書館からの要請で電子教科書づくりに取り組む
    • 出版社側は微妙な反応?
    • まずは調査をした、報告書がまとまるはず
千葉大学アカデミックリンクセンターの活動 / 竹内比呂也先生(千葉大学
  • 考える学生の育成
    • 空間・人的サポート・コンテンツ活用の3つを有機的連結
    • 見る・見られることによる学習意欲の喚起
      • オープンスペースでプレゼンテーション
      • プレゼンしているスクリーンの横にブックトラックを置いて関連の本を並べる
    • ブックツリーという見せる書架、NDC配列ではない
      • この書架の資料は電子化の対象と考えている
      • 「手に取った回数」がモニタリングできる仕組みを入れている!
  • 電子コンテンツ:「授業」を切り口にする
    • レガシーコンテンツ再生
      • 絶版の参考図書を電子化
      • 授業資料ナビ(パスファインダー)掲載資料の電子化
    • デジタルコースパック
      • 授業ごとの教材の電子化
      • 教員オリジナルの教材作成も含む
    • オンラインクラスルーム
      • 授業そのものを電子化
      • まずは受講生に発信することを考えている
  • 電子コンテンツ作成の拠点
    • ティーチングコモンズ
      • 電子化の許諾を取るための手続き
    • コンテンツ製作室
      • 授業のコンテンツ化事業
      • 電子教材作成支援
      • アウトプットは電子に限らない、紙でもよい
  • 課題
    • 許諾を取るのが想定以上に大変
      • 87点の電子化対象資料について、可能な感触があったのは2割
      • 電子化できるころには授業が終わっている
    • 適切な制度やビジネスモデルがない
  • 必要なこと
    • ライセンシング、価格モデルの開発
      • 価格モデルは紙と同じではダメ
      • 各大学がいちいち許諾をとって...では時間もかかりすぎ、無理
      • 許諾されたコンテンツのパッケージがほしい
    • 独自に作られているコンテンツの共有
      • 権利管理ができるようにすべき
      • 作成者に対するインセンティブ(一定の貢献をすればそのコンテンツが使える、みたいな)を与える。みんなで(無料で)作ろう!では出来ない。
千葉大学アカデミック・リンク・センター
音がなります!
http://alc.chiba-u.jp/index.html
九州大学附属図書館付設教材開発センターの活動 / 井上仁先生(九州大学)
  • 教材開発センター
    • 図書館内にある(いろんな事情)
    • 教材開発の「支援」をするところ
  • エデュケーショナルテクノロジー部門
  • コンテンツデザイン部門
    • 新技術に対応するコンテンツ(インタラクティブ教材)の開発
      3Dとか。医療系の教材など
  • オープンエデュケーショナルリソース部門
    • OCWYoutube、iTunesUなどを活用したオンデマンド学習教材
    • SNSを使った授業
    • YoutubeやiTunesUで配信するのは認知度を高めるため・世界中のコンテンツと同じところで発表する狙いも
  • インフラ整備
    • 個人PCを必携にして、学内のPCを減らす
    • 教育用無線LAN整備(大講義室で数百人が一斉に使えるくらいに)
  • 今のとこ、図書館員は関わっていない。
  • 既存の図書などではなく、「教員が自分で作った教材」をどう提供するかを考えている
九州大学附属図書館付設教材開発センター
http://www.icer.kyushu-u.ac.jp/
教員が必要とする電子教材流通のあり方 / 長丁光則さん(大日本印刷
  • Honto:電子本屋
    • 10万点以上売れている(大半はマンガだけど)
  • 大学教科書の危機
    • 絶版本が年々増加、指定教科書が手に入らない
      • 2012年度採用教科書のうちの約2%は絶版だとか
    • 学生の教科書不買
      • 某国立工学部:必修科目の教科書・22%の学生しか買わない
      • 某私立法学部:必修科目の教科書・48%の学生しか買わない
    • 改訂の長期化
      • 一時期に大量に売れるので、3~5年分刷ってとっておく状態:限界
      • リアルタイムの話題を取り入れられない
  • 教員の要望
    • 絶版本は電子化またはPODで継続出版してほしい
    • 学生に買ってほしいので安くしてほしい、電子化なら安くなるでしょ?という期待
    • どうせなら自分の授業に合った教材開発をしたい
      • 本当は各教科書をちょっとずつ使いたい(例:物理化学)けど、全部買わせるのは辛いので仕方なく1冊を選んでいる現状
    • 正式な履修登録までの「お試し受講期間」みたいなのが1か月くらいある、その期間学生は教科書を買わずに授業に出ているので進めにくい。電子でカバーできないか。
    • 大学一括購入ライセンスモデル(履修者分のライセンスを大学が買う)がほしい
    • 利用期間を限定するライセンスモデルがほしい
      • 授業期間だけ、在学期間だけ、みたいな。さらに追加ライセンス料を払えば買い切りできるともっといい
  • 出版社側がためらう原因
    • デジタル化が安易なコピーを助長するのではという恐れ
    • 章ごと、図ごとに売ってくれとか言われたら大変
    • アカデミックディスカウントを求められるのでは
    • 著作権管理が大変なのでは
JEPA絶版本プロジェクトについて / 三瓶徹さん(日本電子出版協会)
  • たくさんの日本語の学術書を読ませたい、という願いがある
  • 学生に読ませる本に優先順位をつける試み(大学図書館が教員とともに授業に使う本を選別する)
    • 教員が選ぶ「学生に読ませたい本」+学会による「推薦リスト」+大学図書館の貸出リストによる重みづけ=優先順位をつけて、学生に読ませる本として公開
  • 分野別定額読み放題サービスがあるといい
    • パッケージ内の横断検索ができる
    • 小さい出版社が多すぎることが障害になってる?
  • 絶版本プロジェクト構想
    • 学生に読ませる本×絶版本リスト=絶版本電子化
機関リポジトリにおける教育用コンテンツの取り組み / 武田英明先生(NII)
  • 機関リポジトリの全コンテンツに占める「教材」の割合:0.3%(3000件)くらい
  • HUSCAP(北大の機関リポジトリ)では教材がたくさんダウンロードされている
    • 教材は使われる
  • 教材は探しにくいのが課題。授業名などを知っている人しか探せない(=その大学の人しか探せない?)
ディスカッション
  • リポジトリ登録時の図書館員の仕事
    • 著作権処理をしているわけではなく確認のみ。
    • NDLのデジタル化もアナログ的に著者を探して許諾を取っていた
  • そういう粘り強い仕事ができるのは図書館員くらいじゃないか。(→だから教材の電子化も図書館員が?)
  • 図書館員は"権利"みたいなものに関しては真面目に取り組む。でもマネジメントはしたことがない。そういうことができる人材を育てる必要があるとは考えている。


感想とか
  • 流れがうまく追えておらずすみません
  • この手の話題は情報科学系のe-learing研究者とかの守備範囲だと思っていたけど、ラーニングコモンズが出てきたあたりから図書館の範囲にもなりつつあるんだなと感じた。
  • 電子化されたコースパックを使って、ラーニングコモンズで資料サポートと人的サポートをしつつ協働学習支援、とか。教材の電子化が進めばラーニングコモンズでできることもさらに広がる気がする。
  • 「電子化教材をうまく使った学習(授業)の進め方のモデル」みたいなのが提示されるともっと浸透しそう。
  • 改めてここを確認。ちゃんと見ておかないと、と反省。(自分がこの世界に足を踏み入れることになったきっかけの授業も、公開されているのであります)
  • 日本の資料は電子化が遅れているという指摘は、その日の夜にお会いした方からもいただきました。