Shared Printのお話(その1)

Shared Print=紙の資料の共同保存、のお話。

なぜShared Printが必要か


以下の論文に詳しく書いてあります。

抄録を読んでいただくだけでもだいたいわかるのですが、乱暴にまとめると、紙の資料をいつまでも全部の図書館で持ち続けるのはやめて、どこかに1冊置いといてそれを一緒に使おうよ、っていう。
あいたスペースは学習や研究に使って。
紙の資料の保存のためにかかっていたコストは削減して別の目的に使って。
この論文の中には、「図書館の価値は本やコレクションではなく、サービス中心に確立してゆくべきです。」との一文もあります。

こうした考えには賛否両論いろいろあるとは思うのですが、単純に、増え続ける紙の資料をどうやって本棚に入れていくかは、図書館員のみなさんにとって共通の悩みだと思います。

なお、昨年12月の学術情報基盤作業部会でも、資料のデジタル化という文脈の中ではありますが、この単語が登場しています。

文部科学省 科学技術・学術審議会 学術分科会 研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会(第55回)

(問題意識) 3.大学図書館における学術書のデジタル化の促進について
1)海外では、書籍を含む学術情報のデジタル化による効率的な利活用が進んでいるが、日本は、特に図書館の蔵書に関するデジタル化が著しく遅れている。
 日本では、蔵書の数を誇り、紙媒体を残そうという意識が強い。各図書館では蔵書が継続的に増加するため、国立大学における図書館関係の施設設備要求はその多くが集密書架という状況である。
 こうした状況を改善するため、例えば、1蔵書について、デジタル化・保存を進めつつ、貴重書や稼働率の高い書籍など、紙媒体で維持すべきものとそうでないものに分け、省資源化する。2紙媒体資料の保存については、国立国会図書館もしくは複数の図書館に限定し、重複保存を抑えるシェアードプリントの考え方を導入する。などの対応が考えられる。
 蔵書のデジタル化、シェアードプリント等による合理化の促進により、集密書架に対する設備投資の抑制や合理化した図書館スペースのラーニング・コモンズ等への活用が可能になる。

Shared Printの様々なかたち

共同保存の方法

  • 分散型=各参加館がそれぞれ担当する資料を決め、それを各参加館の館内で責任をもって保存する。
  • 集中型=各参加館が共同で使える書庫を建てて、資料を持ち寄り、その書庫で保存する。

共同保存する資料

  • 雑誌
  • 図書
  • 図書・雑誌両方

雑誌の共同保存

WEST

CIC-SPR

ASERL Collaborative Journal Retention Program

  • 分散型
  • ASERLとは
    • Association of Southeastern Research Libraries
    • アメリカ東南部の地域図書館コンソーシアム
    • 参加館一覧
    • 主な活動:ILL/デジタル化/共同保存
  • 各参加館が自館で永続的に保存する雑誌を決めてその情報を提示し、同じ雑誌を持つ別の参加館の除却を可能にする
  • 2013年、WRLC(ワシントン研究図書館コンソーシアム)と協定を結び、重複を統合して、8000タイトル・25万冊超の大規模なプリントアーカイブに
  • 参考

その他


ひとまず今日はここまで。
たぶん続きます。