保存書庫の書架システム

大学図書館等のいわゆる「保存書庫」で使われている書架について。
時々お尋ねをいただくことがあったので、自分の整理のためにも、北米の事例を一度まとめておきます。
事例はおそらく山ほどあると思うのですが、現時点で集められている分ということで。

なお国内編(自動化書庫)についてはしぶろぐさんの下記記事をご参照ください。

その1:固定書架

テキサス大学アーリントン校

  • 名称:Library Collections Depository
  • キャンパス内
  • 画像を見た感じ、書架はすごく高い。上の方の書架の本を取るためにクレーンに乗ってる。

ミシガン大学

  • 名称:Buhr Remote Shelving Facility
  • キャンパス内

その2:集密書架(Compact Shelving)

カリフォルニア大学サンディエゴ校

  • キャンパス内
  • Geisel Libraryの1階に集密書架をたてて、製本雑誌を移動。
  • ちなみにこれとは別の保存書庫(Trade Street Storage Annex)も持っているし、カリフォルニア大学の共同書庫SRLFも利用。

スタンフォード大学

  • 名称:Stanford Auxiliary Library 1 & 2
  • キャンパス内

ペンシルベニア州立大学

  • 名称:Annex
  • 遠隔地

その3:ハーバードモデル(Harvard-Model)

1986年にハーバード大学が運用開始した書架システムで、以降、北米の保存書庫の多くがこのシステムを採用しています。

特徴

  • ものすごく背が高い固定書架。9~10メートルくらい。
  • 本をサイズで分け、上部が開いたボール紙製のトレイに入れる。そのトレイを書架に並べる。
  • トレイは物流用のオーダーピッカー(人間が乗るリフト)を用いて、スタッフが配架・出納。

Ref:
Payne, Lizanne. Depositories and repositories: changing models of librarystorage in the USA. Library Management. 2005, 26(1/2), p. 10-17.


一般的な処理の流れ

  1. 保存書庫に入れる資料の選定
  2. 保存書庫へ資料を配送
  3. 資料のクリーニング
  4. 資料のサイズを測定、サイズごとに収納
  5. トレイ内の資料とトレイ本体に、そのトレイが配架される書架番号を示すバーコードラベルを貼付
  6. 資料とトレイ双方のバーコードラベルを読み込んでオンライン目録に登録
  7. リフトに乗って配架

この処理の様子を、写真や動画で紹介している図書館もあります。
下記の事例のところにリンクを載せているのでぜひご覧ください。


事例:単独運用編

ハーバード大学

  • 名称:Harvard Depository
  • 遠隔地

ミシガン大学

  • 名称:Health Sciences Remote Shelving (HSRS) Facility
  • 遠隔地

テキサス大学オースティン校

  • 名称:Collections Deposit Library
  • キャンパス内

オハイオ州立大学

  • 名称:Book Depository
  • 遠隔地

バージニア大学

コーネル大学

  • 名称:Library Annex
  • 遠隔地

ペンシルべニア大学

  • 名称:LIBRA(Libraries Research Annex)
  • 遠隔地
  • 写真

サウスカロライナ大学

イェール大学

  • 名称:Library Shelving Facility
  • 遠隔地

ウエストバージニア大学

  • 名称:Library Depository
  • 遠隔地

デューク大学

  • 名称:Library Service Center
  • 遠隔地
  • 動画

ジョンズホプキンス大学

  • 名称:Libraries Service Center
  • 遠隔地

議会図書館

  • 名称:High Density Storage Facility at Fort Meade
  • 遠隔地

ピッツバーグ大学

  • 名称:Libraries Collections Storage Unit
  • キャンパス内

アリゾナ州立大学

  • 名称:University Library Archives
  • キャンパス内

インディアナ大学ブルーミントン校

ライス大学

スタンフォード大学

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校

  • 名称:Oak Street High Density Storage
  • キャンパス内

ウエスタン・オンタリオ大学

  • 名称:Storage
  • 遠隔地

ネブラスカ大学リンカーン校

  • 名称:Library Depository Retrieval Facility
  • キャンパス内

トロント大学

  • 名称:UTL at Downsview
  • 遠隔地
  • 写真


事例:共同運用編

オハイオリンク

ワシントン研究図書館コンソーシアム

ミズーリ大学

ミネソタ大学

ReCAP

5大学コンソーシアム(マサチューセッツ)

PASCAL

その4:自動化書庫(Automated Storage and Retrieval Systems)

自動化書庫の中で面白いと思うのはユタ州立大学の自動化書庫、通称「BARN」。
おなじみのコンテナではなく、3段ブックトラックで書庫に入れる。
さらに請求記号順の配架を保ったままなので、ブラウジング可能。
NDL関西館の自動化書庫と同じ、DAIFUKU社の製品のようです。

平成26年度の国立大学図書館協会海外派遣事業で、大阪大学の森石さんが見学に行かれておりますので、写真と詳しい解説はぜひそちらをご覧ください。

ちなみに、複数大学で運用する「共同保存書庫」に「自動化書庫」は導入されにくいようです。
自動化書庫は即時に出納できるというメリットがあるわけですが、共同保存書庫には基本的に利用頻度が下がった資料が入るため即時の出納は必要なく、であればコストの低いハーバードモデルを採用、となるようですね。

以上、単なるリンク集になってしまいましたが。