シェアードプリントを成功させるために考えておくべきこと:各論(2)対象資料の選定

各論つづき。
今回は「どんな資料をシェアードプリントの対象にするか」がテーマです。

spica.hatenablog.jp

特定の出版社の雑誌

  • BTAA SPR(集中型)
    • フェーズ1:Elsevier、Wiley、Springerの雑誌。2015年からはOxford University Press、Cambridge University Pressの雑誌も追加。
    • フェーズ2:紙と電子の所蔵数によるコレクション分析で決める(検討中)。
  • PALCI PDPA(分散型)
    • American Institute of Physics、Institute of Physics、American Physical Society、American Chemical Societyの雑誌


特定の分野・形式の資料

  • ASERL FLDP(分散型)
    • 政府文書
  • MedPrint(分散型)
    • 医学分野の雑誌
  • CHLA(分散型)
    • 19世紀初期~20世紀中・後期に出版された農学分野の図書・雑誌


各図書館が独自に選んだ資料

「破損・劣化がない」とか「利用頻度が低い」とか「電子媒体がある」とか、いくつかの基準はあるものの、各図書館が「自分のところは○○を保存することにします」と自由に決められるようにしているシェアードプリントプログラム。

  • 集中型は基本的にこのタイプ
  • ASERL(分散型)
    • 参加館が独自に選んだ、利用頻度の低い冊子体の雑誌


参加館のコレクションの分析によって選んだ資料

コレクション分析はSustainable Collection Services(OCLCが買収)に委託して行われることが多い。
ここが開発したGreen Glassっていうアプリケーション?webサービス?がすごい。参加機関の所蔵データ・貸出データなどを取り込んで、WorldCatの所蔵数とかをくっつけて、条件をセット(国内所蔵が○以下とか、貸出○回以下とか、全参加機関のうち所蔵が○以上とか)。すると、その条件にあてはまる資料を、参加機関内で均等に分散(保存責任を割り当て)させて、各機関ごとの保存冊数や保存リストを返すらしい。セットした条件によっては、保存責任の割り当てが均等にならないことがあるので、そのときは条件を変えてやり直して、だいたい保存責任が均等になるような条件を見つけることもできるらしい。
こうして全参加機関が納得できるような条件(保存責任割り当て)を探って、それをシェアードプリント対象とするやりかた。
いつかGreen Glass日本版をつくってみたいなぁ。



なお、コレクション分析の手法はこちらにも書きました。
spica.hatenablog.jp